蔵王の御釜
御釜(おかま)は、宮城県と山形県にまたがる蔵王連峰にある火口湖です。
エメラルドグリーンに輝く神秘的な湖面が特徴で、東北を代表する絶景スポットとして全国から多くの観光客が訪れます。
御釜は宮城県側に位置していますが、蔵王エコーラインによって宮城県と山形県の両方からアクセスできるため、どちらの県を観光する場合でも立ち寄りやすい場所になっています。
ちなみに「蔵王」と聞くと一つの山をイメージしがちですが、実は蔵王という名前の山は存在しません。
熊野岳や刈田岳、地蔵岳など、いくつもの山々からなる山岳地帯の総称が「蔵王連峰」です。
その蔵王連峰の象徴とも言えるのが、この御釜です。
御釜とは?
御釜は火山活動によって形成された火口湖です。
直径約330メートル、水深は最も深い場所で約27メートルあると言われています。
最大の特徴は湖面の色です。
天候や季節、太陽の当たり方によって色合いが変化し、鮮やかなエメラルドグリーンや深い青緑色など、様々な表情を見せてくれます。
湖の周囲には木々がほとんど生えておらず、荒々しい火山の地形がそのまま残っています。
そのため日本の景色というより、まるで海外の火山地帯へ来たかのような不思議な雰囲気があります。
御釜までの登り方
蔵王エコーラインは御釜から少し離れた場所を通っています。
そのため、御釜の近くまで行くには主に3つの方法があります。
蔵王ハイラインで登る
1つ目は、有料道路の蔵王ハイラインを利用して車で登る方法です。
蔵王ハイラインは蔵王エコーラインの途中で分岐している道路で、この道を利用すると御釜近くの駐車場まで車で行くことができます。
駐車場から御釜までは徒歩2〜3分程度です。
体力に自信がない方や、時間を効率よく使いたい場合には最もおすすめの方法でしょう。
ちなみに早朝など料金所の営業時間外であれば、道路自体が通行止めになっていない限り、無料で通行できることもあります。
※料金体系や通行可能時間は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。
リフトに乗って登る
2つ目は、山形県側からリフトを利用する方法です。
天気の良い日であれば、リフトから眺める蔵王の景色も非常に気持ちが良く、ちょっとした空中散歩のような感覚を楽しめます。
特に新緑や紅葉の季節は景色も良く、観光気分を味わいながら御釜を目指せます。
時間に余裕がある方や、景色を楽しみながらゆっくり移動したい方におすすめです。
歩いて登る
3つ目は、蔵王エコーライン沿いの駐車場から歩いて向かう方法です。
御釜自体に入場料はかからないため、最も費用を抑えて楽しめる方法でもあります。
御釜に一番近い駐車スペースは、エコーラインの宮城県側分岐点付近にあります。
ただし駐車可能台数はかなり少なく、観光シーズンになると空きを見つけるのはなかなか難しいかもしれません。
エコーライン沿いには無料駐車場が複数あります。
ハイキングも兼ねて少し離れた駐車場に車を停め、景色を楽しみながら歩くのもおすすめです。
標高が高いため空気が澄んでおり、道中の景色も非常に美しいです。
夏の蔵王(日中)
夏の日中は観光客が非常に多く、駐車場も賑わいます。
標高が高いため平野部よりは涼しいですが、思っていたほど寒いという印象ではありませんでした。
しかし、晴れた日の御釜は本当に美しいです。
太陽の光が火口湖へ差し込むことで、水面が鮮やかなエメラルドグリーンに輝きます。
まさに「蔵王の御釜」と聞いて多くの人がイメージする景色そのものです。
また、天気が良い日には御釜周辺から宮城県側と山形県側の両方を見渡すことができます。
火口湖だけでなく、遠くまで続く山々や街並みも見渡せるため、非常に開放感があります。
夏の蔵王(早朝)
早朝の蔵王は、また違った魅力があります。
9月上旬に訪れた際は、夏でもかなり涼しく感じました。
そして、この日は雲海を見ることができました。
麓の蔵王町付近では濃霧注意報が出ていたため、その霧が山の上から見ると雲海になっていたようです。
もちろん雲海は自然現象なので必ず見られるわけではありません。
しかし、もし運良く出会えたなら、それだけでも早起きする価値があると思います。
日中は多くの観光客で賑わう御釜周辺も、早朝は驚くほど静かです。
休日でも人が少なく、のんびり散策できます。
近くに宿を取って、朝の散歩感覚で御釜を訪れるのも非常に贅沢な時間だと思いました。
春の蔵王(早朝)
蔵王エコーラインは例年4月下旬から5月上旬頃に冬季閉鎖が解除されます。
この時期の名物が「雪の壁」です。
道路脇に数メートルもの雪が残り、まるで雪の回廊の中を走っているような景色になります。


下界では桜が咲いている時期でも、蔵王ではまだ冬の景色が残っています。
なお、エコーラインは夏タイヤでも走行できる前提で開通します。
私が訪れた5月中旬でも、朝4時台の気温は10℃ほどありました。
ただし雪の壁は場所によって残り方が違い、この時は山形県側にはほとんど残っておらず、宮城県側には所々残っていました。
春の御釜
春の御釜も非常に美しいです。
この日は風が強く、体感温度はかなり低く感じました。
春だからと油断せず、厚手の上着を持参した方が安心だと思います。
また、御釜は季節によって表情が大きく変わります。
夏は鮮やかなエメラルドグリーンの湖面が印象的ですが、春先は周囲に雪が残り、火山の荒々しさがより際立ちます。
寒い年には湖面の一部、あるいは全体が凍結していることもあるようです。
雪の壁とエメラルドグリーンの火口湖を同時に見られるのは、この時期ならではの魅力と言えるでしょう。
馬の背
御釜の近くには「馬の背」と呼ばれる場所があります。
その名の通り、馬の背中のように細長く続く尾根状の地形で、周囲には木々がほとんど生えていません。
赤茶色や白っぽい岩肌がむき出しになっており、荒々しい景色は日本とは思えない雰囲気があります。
実際に目の前にすると、緑豊かな山というよりも、火星や海外の火山地帯を歩いているような不思議な感覚になります。
火山の力を感じる景色
馬の背周辺では、火山活動によって変色した地面や、長い年月をかけて浸食された谷を見ることができます。
ゴツゴツした岩肌や急斜面が続く景色は迫力があり、火山の上にいることを実感させてくれます。
御釜だけを見るとエメラルドグリーンの美しい景色に目が行きがちですが、その周囲に広がる荒々しい火山地形も見逃せません。
馬の背から見える景色
馬の背付近は視界が非常に開けています。
天気が良い日には遠くまで山々を見渡すことができ、振り返ると御釜が見える場所もあります。
また、早朝や天候条件が良い日には、雲海が広がることもあります。
周囲に高い木がないため開放感があり、蔵王連峰の雄大さを全身で感じられる場所です。
注意点
馬の背周辺は標高が高く、風を遮るものがほとんどありません。
平地では暖かい日でも、ここでは肌寒く感じることがあります。
また、天候の変化も早く、濃霧が発生すると急に視界が悪くなることもあります。
歩く場合は、防寒着や歩きやすい靴を用意しておくと安心です。
東北を代表する絶景スポット
御釜の魅力は、火口湖そのものの美しさだけではありません。
春には雪の壁、夏には鮮やかなエメラルドグリーン、早朝には雲海、そして広大な蔵王連峰の景色。
訪れる季節や時間帯によって、まったく違う表情を見せてくれます。
また、車で気軽に2,000メートル近い高所まで行けるという点も大きな魅力です。
これほど迫力のある火山景観を、比較的手軽に楽しめる場所は全国的にもそれほど多くありません。
東北を訪れたなら、一度は実際に目の前で見てほしい、日本屈指の絶景スポットです。
蔵王の御釜
観光地情報
おすすめタイプ
ドライブ情報
基本的に有料の駐車場があります。
アクセス情報
所在地
住所:宮城県蔵王町遠刈田温泉倉石岳国有地内
マップ
※本記事や写真は訪問当時の情報です。最新情報は公式サイト等でご確認ください。

















