五辻不動とは?
大分県の国東半島、そのほぼ中央に位置する千燈岳(せんとうだけ)の中腹に、まるで天空に浮かぶかのように佇むお堂があります。それが今回ご紹介する「五辻不動(ごつじふどう)」です。ここは、神仏習合の山岳宗教「六郷満山(ろくごうまんざん)」の重要な修行場で、千燈寺の奥の院とも言われています。標高約580メートルの断崖絶壁に、岩をくり抜いて建てられた懸造(かけづくり)の様式は、まさに圧巻の一言。京都の清水寺と同じ建築様式と聞けば、その凄さが伝わるでしょうか。かつては修験者たちが厳しい修行を積んだこの場所は、今もなお神聖で張り詰めた空気が漂っています。しかし、その厳かな雰囲気とは裏腹に、お堂の縁側から望む景色は、すべての苦労を忘れさせてくれるほどの絶景。眼下に広がる緑豊かな山々と、その先にきらめく周防灘、そして姫島の姿は、まるで一枚の絵画のよう。ドライブの目的地として気軽に、とは言えないかもしれませんが、少しの冒険の先に待っている感動は、きっと忘れられない思い出になるはずです。
五辻不動へのアクセス方法
五辻不動へは車でのアクセスが基本となります。最寄りの高速道路のインターチェンジは、宇佐別府道路の宇佐ICまたは院内ICで、そこから県道などを経由して約40〜50分ほどで登山口近くの駐車場に到着します。ただし、駐車場に至る最後の数キロは道幅が非常に狭く、対向車とのすれ違いが困難な箇所も多いため、運転には十分な注意が必要です。駐車場は数台分しかスペースがないので、譲り合って利用しましょう。そして、ここからが本番。駐車場からお堂までは、約15〜20分の山登りとなります。スニーカーなど歩きやすい靴と、念のため飲み物を持参することをおすすめします。
駐車場から始まる、ちょっとした冒険
旧千燈寺跡の駐車場に車を停めると、目の前には「千燈岳 登山道」の看板が。ここが天空の寺院へと続く冒険の入り口です。ドライブで疲れた体をリフレッシュするのに、ただの休憩じゃ物足りない!というアクティブな方には最高のロケーション。さあ、深呼吸をして、緑のトンネルの中へと足を踏み入れてみましょう。
登山道は、地元の方々によってある程度整備されていますが、基本的には自然のままの山道です。丸太で組まれた階段や、木の根が張り出した道など、一歩一歩、自分の足で大地を踏みしめながら登っていく感覚がたまりません。鳥のさえずりや風が木々を揺らす音に耳を澄ませば、日頃の喧騒を忘れ、心も体もリラックスできるはずです。
道中には「馬頭観世音」と刻まれた石碑もあり、この道が古くから人々の信仰の対象であったことを物語っています。少し息が上がってくる頃ですが、昔の修験者たちも同じ道を辿り、何を思ってこの坂を登ったのだろう…なんて歴史に思いを馳せながら歩くのも、また一興ですね。
目の前に現れる天空の寺院
山道を進むこと十数分、目の前に現れるのがこの岩を削って造られた石段です。一説には「鬼が一夜にして造った」という伝説も残るほど、自然の岩肌をそのまま利用したダイナミックな階段は、まさに最後の難関。手すりを頼りに慎重に登っていくと、その先には想像を超える光景が待っています。
石段を登りきると、ついに五辻不動のお堂が姿を現します。巨大な岩壁に寄り添うように、いや、もはや一体化するように建てられた木造のお堂。いったいどうやってこんな場所に…と思わずにはいられない、その見事な建築技術と存在感に圧倒されます。静寂の中に響くのは自分の息遣いと風の音だけ。まさに天空の聖域です。
少し離れた場所からお堂を眺めると、周囲の雄大な自然と見事に調和していることがわかります。厳しい自然環境の中にありながら、どこか優しく、訪れる者を静かに迎え入れてくれるような温かさも感じられます。この景色を見るためだけでも、ここまで登ってくる価値は十分にありますよ。
息をのむ絶景!お堂からの眺め
お堂の中は、誰でも自由に入ることができます。まずはご本尊の不動明王に、ここまで無事にたどり着けた感謝を込めてお参りを。堂内は凛とした空気に満ちており、畳に座って一息つくと、心がすーっと洗われるような感覚になります。天井には美しい花々の絵が描かれていて、細部まで見どころが満載です。
そして、五辻不動のハイライトとも言えるのが、このお堂の縁側からの眺めです。目の前には何の障害物もなく、国東半島の緑の山々から周防灘までを一望できる大パノラマが広がります。頬をなでる風が心地よく、まるで空を飛んでいるかのような浮遊感を味わえる、最高の特等席です。
お堂のすぐそばにある一対の石灯籠。この間から景色を眺めると、まるで額縁に入れられた一枚の風景画のよう。悠久の時を刻んできた石灯籠と、どこまでも広がる壮大な自然のコントラストが、なんとも言えない趣を醸し出しています。写真好きにはたまらない撮影スポットですね。
360度パノラマで撮ってみました。よかったら見てください。
パノラマ写真
謎のオブジェが見つめる先には
お堂のさらに奥、岩場を進んだ先にもう一つの絶景スポットがあります。そこには、なぜかポツンと佇む人型のオブジェが。この不思議な存在が、神聖な場所の風景にどこか現代的な、そしてミステリアスな雰囲気を加えています。彼と同じ場所に立ち、同じ景色を眺めてみましょう。
実はこのオブジェ、世界的に有名なイギリスの彫刻家アントニー・ゴームリー氏の作品なんです。2014年に開催された「国東半島芸術祭」の一環として設置されたもので、今もこの場所で静かに景色を見つめ続けています。修験道の聖地と現代アートの融合。この意外な組み合わせも、五辻不動の大きな魅力の一つと言えるでしょう。
オブジェが見つめる先には、どこまでも続く空と、緑の山々、そして穏やかな海が広がっています。曇り空でさえ、この荘厳な美しさ。晴れた日には、また違った表情を見せてくれることでしょう。ドライブの途中に、少しだけ勇気を出して立ち寄ってみませんか?日常を忘れさせてくれる、壮大な景色と感動があなたを待っていますよ。
五辻不動
観光地情報
おすすめタイプ
ドライブ情報
無料で停められる駐車場があります。
アクセス情報
所在地
住所:大分県国東市国見町千燈
マップ
駐車場のマップ
※本記事や写真は訪問当時の情報です。最新情報は公式サイト等でご確認ください。











