日本最後の夕日が見える丘とは?
沖縄県与那国島・久部良(くぶら)集落の北側にある小高い丘で、日本の最西端エリアに沈む“その日最後の夕日”を見送れる展望スポットです。正面の水平線の左手には、日本最西端として知られる西崎(いりざき)と灯台が位置し、条件が整えばシルエット越しに沈む夕日を眺められます。島の西端に近い地形ゆえ、空の色づきが長く、群青から琥珀へゆっくり移ろう時間そのものを楽しめるのが魅力。場所は久部良港の北、集落からすぐ上がった草地の丘で、駐車スペースから徒歩数分。視界を遮るものが少なく、海と空、崖の輪郭が一枚のキャンバスのように広がります。
アクセス・駐車場
与那国空港から車でおよそ8分、久部良漁港からは約3分で到着します。久部良小中学校の北側から島の外周路を少し登った先に入口があり、路肩に駐車できるスペースが用意されています。公共交通は本数が限られるため、島内はレンタカーやレンタルバイクが実用的。夕日の時刻直前は混み合うことがあるので、30〜40分ほど余裕をもって現地入りすると、落ち着いてベストポジションを選べます。夜間は街灯が少ないため、帰路の運転はスピードを控えめに。強い海風の日はドアの開閉にもご注意を。
丘の様子と眺め方
展望ポイントは草地のなだらかな斜面で、腰を下ろして空の変化を待つのにぴったり。西側には西崎と灯台、足元には海食崖が連なり、雲が低く走る日は空の表情が刻々と変わります。日が傾きはじめたら、まずは広角で海と空の比率を大きく、太陽が水平線に触れる頃は少し望遠ぎみに。風が強い日は三脚が煽られやすいのでストラップで重しをつけると安定します。草地の中に岩の突起が点在するため、サンダルよりもスニーカーが安全。潮の香りと風の音だけが近づいてくる、与那国らしい静けさに包まれます。
ベストな時間・季節と小さなコツ
狙い目は「日の入り30〜60分前」。いわゆるゴールデンアワーからブルーアワーにかけて、空は群青・紫・橙の層を重ねます。与那国島は年間を通して海風が強く、天候の変わりやすさも特徴。夕日は数十分で劇的に表情を変えるため、旅程が許せば2日以上のチャンスを組むのがおすすめです。夏〜初秋は入道雲のドラマ性、秋〜冬は澄んだ空気と水平線のくっきり感が魅力。体感温度は風で下がるので薄手のウインドブレーカーが一枚あると安心です。太陽が沈みきった後の10分は“残照の魔法”。最後の一筆まで、空の余韻を見届けてください。