出雲街道根雨宿とは?
鳥取県日野郡日野町・根雨(ねう)に残る「出雲街道根雨宿(ねうしゅく)」は、旧街道の空気がふっと残る、山あいの宿場町です。ここは江戸時代、松江藩主の参勤交代にも使われた重要ルート(出雲街道)の宿場として栄え、街道沿いには今も当時をしのばせる建物や“門”が点在しています。
派手な観光地というより、「生活の匂いが残った歴史の町」。車でふらっと寄って、少し歩いて、静かな通りで深呼吸する——そんな寄り道にちょうどいい場所です。根雨は、たたら製鉄でも栄えた土地で、鉄と街道のにぎわいが重なって“奥日野らしい濃さ”が生まれた、という背景も面白いところ。
町中には文化財マップの案内もあり、見どころを点で拾いながら歩けます。短時間でも「宿場町ってこういう感じか」と掴めるのが根雨宿の良さ。ドライブの途中、眠気覚ましに10分散歩——でも、気付いたら1時間歩いてる。そんなタイプの寄り道スポットです。
出雲街道根雨宿へのアクセス方法
車なら、米子自動車道の江府ICから根雨方面へ(一般道)向かうルートが分かりやすく、到着後は町並み周辺に車を置いて散策する流れが定番です。根雨は山間部ですが、幹線からのアプローチは意外と素直で、「山奥すぎて辿り着けない」感じではありません。
鉄道ならJR伯備線の根雨駅が最寄りで、駅から旧街道の町並みへも近い距離感。とはいえ、ドライブ旅の寄り道としては“車で来て、徒歩で味わう”のがいちばん気持ちいいです。町並みは道幅が細い区間もあるので、運転はゆっくり、歩行者優先の気分で。
まずはここから:宿場の「通り」を歩く
根雨宿の主役は、実は「通り」そのものです。白壁、格子、深い軒、落ち着いた瓦。観光向けに作られたセットではなく、昔からの家並みが“そのまま今の暮らし”に繋がっている感じがします。歩くと、視界の奥に山がいて、空気がひんやりして、時間の流れがゆっくりになる。
「派手さはないけど、筋が通ってる」——根雨宿って、そういう良さがあります。必要以上に飾らないのに、景観としてちゃんと美しい。ドライブで“端っこ”や“奥地感”が好きな人ほど、この静けさが刺さるはず。
写真を撮るなら、遠景に山が入る角度を探すのがおすすめ。電線すら「地方の宿場のリアル」なので、あえて消さずに写すと、生活感ごと記録できて楽しいです。
参勤交代の気配:「本陣の門」を見に行く
根雨宿には、参勤交代で大名が泊まった本陣に関わる「本陣の門」が残っています。門の前に立つと、町並みの静けさが急に“歴史の静けさ”に変わる感じがするんですよね。門って不思議で、建物以上に「人の出入り」を想像させるから、時間が立ち上がってくる。
周辺には解説板もあり、宿場町としての役割や、根雨がどう栄えていったかを掴みやすいです。ここは“何かすごいモニュメントがドーン”ではなく、点在する史跡を拾い集めて、頭の中で町を復元していく楽しさがあります。
歩くほどに「この道、殿様も通ったのか…」という実感が増すタイプの場所。ドライブ旅って、遠くへ行くほど“情報より体感”が強くなるじゃないですか。根雨宿は、その体感がちゃんと手に入る宿場です。
たたらと商いの記憶:近藤家と洋風銀行建築
根雨は、たたら製鉄で栄えた町でもあります。鉄山経営で財を成した近藤家の存在は、根雨の歴史を語る上で外せません。旧街道の町家を眺めながら歩いていると、宿場の機能だけじゃなく、商いの町としての厚みも感じられます。
そして目を引くのが、昭和初期に建てられた洋風の銀行建築。伝統的な宿場の町並みに、洋風建築が“混ざってる”のが面白い。時代が変わる瞬間の痕跡って、こういう形で残るんだな…と、ちょっとゾクっとします。古い町並みの中で、あえて異物感があるからこそ、当時のインパクトが想像できます。
根雨の良さは、建物だけじゃなく背景の山が強いこと。商いで栄えた町でありながら、すぐ背後に山が迫っていて、自然の圧がちゃんとある。都会の歴史地区とは違う、“山陰の宿場”の手触りがあります。
高台の「文化の殿堂」:日野町歴史民俗資料館(旧根雨公会堂)
根雨宿を歩いたら、ぜひ寄りたいのが、町並みを見下ろす高台に建つ日野町歴史民俗資料館(旧根雨公会堂)。昭和15年(1940年)に公会堂として建てられ、現在は国の登録有形文化財にもなっている建物です。外観は町並みに馴染むように抑えめなのに、近づくと“ちゃんと格がある”。このバランスが渋い。
玄関まわりの意匠も良くて、和の町並みの中に、どこかモダンな雰囲気が混ざる感じ。正面上部のシンボルマーク(「根雨のネ」と「文化の文」を組み合わせた意匠)も、知ると見方が変わります。こういう“土地の誇り”がデザインとして残ってるの、好きなんですよね。
そして何より、高台からの眺めがいい。町並みを上から見て「この一本の通りに、宿場の機能が詰まってたんだな」と俯瞰できる。ドライブ旅の寄り道って、だいたい“点”で終わりがちだけど、ここは“線(街道)”として味わえるのが強いです。
春の寄り道が刺さる:日野川沿いの桜と鉄道風景
もし季節が合うなら、日野川沿いの桜はかなり気持ちいいです。川の音、山の影、淡い花の色。観光地の桜名所みたいに混み倒す感じではなく、静かに“地元の春”が流れてるタイプの桜並木。こういうのが一番、効く。
タイミングが良ければ、桜と列車の組み合わせも撮れます。旅の写真って、絶景ドーンもいいけど、こういう「生活の風景に旅の線が混ざる」カットが、後から見返すと妙に思い出が濃くなるんですよね。根雨宿は、まさにそのタイプ。
川沿いからふと顔を上げると、遠くに雪の残る山並みが見える日もあります。宿場町の通りを歩いて、歴史に触れて、最後に川風で頭を冷やす——ドライブ途中の“立ち寄り”として、完成度が高いコースです。派手に盛らないのに、ちゃんと満足する。根雨宿は、そういう寄り道の名手だと思います。
出雲街道根雨宿の駐車場は?
無料で停められる駐車場があります。
出雲街道根雨宿の場所
駐車場




















