北海岬展望台とは?
青森県むつ市・脇野沢地区の西端に突き出す北海岬は、陸奥湾と津軽海峡の境目にあたる岬です。標高は高すぎず、海へすとんと落ちる断崖と、背後の深い緑がつくるコントラストが魅力。岬の肩に設けられた「北海岬展望台」からは、晴れれば津軽半島や外洋の白波まで見渡せ、夕方には海面が銅色に染まります。足もとに目をやると、火山性の岩が波に洗われて丸く磨かれた海岸線が続き、沖合には“鯛”の silhouette に見える奇岩・鯛島が浮かびます。周辺は下北半島国定公園の一角で、海沿いには古い遊歩道跡が残り、かつては園地やキャンプ場としても親しまれてきた一帯。運が良ければ、世界でも最北に暮らすニホンザルやカモシカが姿を見せることもあります。ドライブのエンジン音を止め、潮の匂いと風の音に包まれる——そんな“最果て”の静けさを味わえる展望地です。
北海岬展望台へのアクセス方法
車なら国道338号で脇野沢へ。脇野沢市街から県道175号(九艘泊脇野沢線)を西へ進み、道の終点付近にある駐車スペースが起点です。駐車後は海沿いの小径を数分歩けば展望台の上へ。脇野沢港からは約10〜15分、むつ市街(大湊・田名部)からはおよそ1時間が目安。路肩が狭い箇所や落石注意区間があるため、天候と路面状況を確認のうえ安全運転でどうぞ。遊歩道は一部傷んだ場所があり、滑りにくい靴が安心です。
岬から望む、津軽海峡のパノラマ
視界が開けた北海岬展望台は、正面に津軽海峡、左手(南東)に陸奥湾を抱く独特の地形。風が強い日は白い飛沫の軌跡が線を引き、凪の日はガラス板のような海が静かに呼吸します。遠くには津軽半島の稜線、天候が合えば北海道の山並みが薄く姿を見せ、海峡のスケール感を実感できます。潮の匂い、カモメの声、足元で草が揺れる音——五感が自然と研ぎ澄まされる場所です。
海と森が出会う縁(へり)を歩く
岬は“海の縁(へり)”に立つ感覚が色濃い場所。片側に深い緑、片側に海の蒼。展望台の周辺は低木や草地が広がり、潮風に葉がさわめけば、足元の地層からも“海と火山”の歴史が感じられます。夏は緑が濃く、春と秋には光がやわらかく差し、季節ごとに陰影が変わるのが印象的。双眼鏡があれば、沖を行く船や海鳥観察も楽しい時間になります。
貝崎園地と古い遊歩道のいま
北海岬の西側には、かつてキャンプ場や園地として賑わった「貝崎園地」エリアが続きます。現在は施設運用が止まって久しく、海沿いの遊歩道も一部で崩れや傷みが見られます。海に近い尾根筋は風をまとい、足元は砂や小石で滑りやすい箇所も。展望台から先に続く遊歩道の入口にはロープもはっていて、大きな落石もゴロゴロと転がっていたので歩く事はあまりおすすめできません。自然の“ままならなさ”にこそ、この半島の魅力が凝縮されています。
鯛島と脇野沢の物語
脇野沢といえば沖合に浮かぶ奇島・鯛島。溶岩が海で急冷されてできる「枕状溶岩」をはじめ火山の痕跡が刻まれ、地質好きにはたまらない一帯です。島のかたちは遠目にも“鯛”に見え、土地には古い由来譚も残ります。北海岬から眺める海はただ美しいだけでなく、地殻活動と人の暮らしが長い時間をかけて織り上げた“物語の舞台”。ドライブの途中でハンドルを止め、潮騒をBGMにその時間へ身をゆだねてみてください。
北海岬展望台の駐車場は?
無料で停められう駐車場があります。
北海岬展望台の場所
駐車場






