馬越峠とは?
三重県尾鷲市と熊野市の間に位置する馬越峠(うまごえとうげ)は、熊野古道・伊勢路の一部として、古来より多くの旅人が行き交った歴史ある峠道です。石畳の美しい山道が今もなお良好な状態で残されており、「世界遺産 熊野古道」としても知られています。観光客の多くは、この静かで荘厳な雰囲気に心を奪われることでしょう。
周囲は木々に囲まれた緑豊かな環境で、清々しい空気とともに山の静寂を味わえます。特に苔むした石畳は、歴史を感じさせる見どころの一つ。足元から伝わる冷たさが、まるで江戸時代の旅人気分にさせてくれます。
馬越峠の登山道と景観
登山口から始まる石畳の道は整備が行き届いており、初心者でも安心して歩けます。ただし、勾配はやや急な部分もあり、滑りにくい靴と水分補給の準備は必須です。途中にはベンチなどの休憩場所も点在し、無理なく歩ける配慮がなされています。
道中は杉林や竹林が広がり、光が差し込むと幻想的な景観が広がります。森林浴をしながらのトレッキングは、日頃の疲れを癒やすにはうってつけです。春や秋には花や紅葉が彩りを加え、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
やがて現れるのは峠の象徴でもある「石畳階段」。この力強く並んだ石たちは、明治時代に敷かれたもので、今も現役として多くの旅人を導いています。
馬越峠からの展望
峠を越えた先には絶景が待っています。尾鷲湾を一望できる高台に出ると、まるでご褒美のような眺望が広がります。晴れた日には遠くまで見渡せ、海と山が織りなす自然美を堪能できます。
この場所は「馬越峠ビュースポット」としても知られており、多くの人が立ち止まりカメラを構える人気の撮影ポイント。眼下に広がる尾鷲の街並みと海の青さが印象的で、特に朝日や夕暮れ時は格別の美しさです。
木々の間から差し込む光と、遠くに望む海。そのコントラストが心に残ります。心を洗うような絶景に、思わず深呼吸してしまいます。
石畳に宿る歴史と文化
この峠道の石畳は、ただの登山道ではなく、江戸時代からの人々の暮らしや信仰が息づく歴史的道です。かつては参詣者や荷物を運ぶ人々がこの道を行き交い、地域と地域を結んでいました。
道中には「馬越一里塚」などの歴史的遺構があり、当時の面影を今に伝えています。峠を越えるたび、かつての人々の思いが胸をよぎります。
古の時代に築かれた石たちは、年月を経てもなお静かに、しかし確かに旅人の歩みを支えてくれています。何気ない一歩が、歴史の上を歩いているという実感に変わる瞬間です。
馬越峠周辺の見どころとアクセス
馬越峠周辺には「おわせ海洋深層水施設」や「鬼ヶ城」などの名所も点在しています。峠道を堪能した後は、周囲の観光スポットも合わせて訪れるのがおすすめです。特に温泉や海産物など、尾鷲ならではの楽しみもあります。
アクセスは車が便利で、JR尾鷲駅からはタクシーで10分ほど。また国道42号線沿いには登山口近くに駐車場もあり、登山後の立ち寄りにも適しています。道中に道の駅「海山」もあり、休憩や食事も可能です。
馬越峠の駐車場は?
無料で停められる駐車場があります。
馬越峠の場所
駐車場